「食物繊維って体に良いって聞くけど、どんな働きがあるの?」「腸内環境を整えたいけど、どうすればいいの?」
こんにちは!パーソナルトレーナーの矢坂です。
食物繊維は、血糖値のコントロールから腸内環境の改善、さらには健康全般に大きな影響を与える栄養素です。「お腹に良い」というイメージだけではなく、具体的にどのような働きがあるのかを知ると、食事での取り入れ方が変わるはずです。
今回は、食物繊維の役割と腸内環境への影響について、わかりやすく解説します!
また、食物繊維は糖質と合わせて「炭水化物」と呼ばれます。炭水化物の記事をまだ読まれていない方はこちらもご覧ください。
1. 食物繊維とは?
食物繊維は、人の消化酵素で分解されない炭水化物の一つです。エネルギー源として直接使われることはありませんが、体にさまざまな良い影響を与えることが知られています。
食物繊維の種類
- 水溶性食物繊維
- 水に溶け、ゼリー状になる性質を持っています。腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善します。
- 例: 果物、野菜、オートミール、海藻
- 不溶性食物繊維
- 水に溶けず、腸内で便のかさを増やして排便を促します。
- 例: 全粒粉、ナッツ、根菜類
2. 血糖値への影響
食物繊維には、食事後の血糖値上昇を緩やかにする働きがあります。
水溶性食物繊維の役割
- 食事中の糖質の吸収をゆっくりにし、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を抑制します。
- インスリンの分泌量を抑えることで、糖代謝の負担を軽減します。
食事でのポイント
食物繊維が豊富な食品を取り入れることで、糖質の吸収速度をコントロールし、長期的な血糖値管理が期待できます。
3. 腸内環境との関係
腸内環境を整えることは、免疫力の向上や代謝の改善、さらにはメンタルヘルスにも影響を与える重要な要素です。少し専門的な単語ですが「腸脳相関(脳腸相関)」と呼ばれるものがあります。これは脳の状態が腸の状態に左右する、またその逆も然りというものです。例えば、緊張するとお腹が緩くなったり痛くなったりする方がいらしゃったり、食生活が乱れるとストレスが溜まったりメンタルや体に不調が生じるなど。腸は「第二の脳」と呼ばれるくらい大切な器官なんですね。(発生学的には人間は腸から作られるので脳が第二の腸…?)
プロバイオティクスとプレバイオティクス
- プロバイオティクス: 腸内環境を良くする生きた菌(善玉菌)。
例: ヨーグルト、キムチ、味噌 - プレバイオティクス: 善玉菌のエサとなる成分。特に水溶性食物繊維がプレバイオティクスとして働きます。
例: オリゴ糖、食物繊維が豊富な食品(バナナ、玉ねぎ)
食物繊維と腸内細菌の相互作用
腸内で善玉菌が食物繊維を分解すると、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)が作られます。この短鎖脂肪酸が腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えるとともに、腸のバリア機能を高める働きを持っています。
4. 食物繊維の摂取量と食品例
推奨摂取量
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日男性21g以上、女性18g以上を目安としています。現代の日本人の平均摂取量は不足しがちであり、意識的な摂取が必要です。
食物繊維を多く含む食品
- 水溶性食物繊維が豊富
- 果物(バナナ、リンゴ)
- 野菜(オクラ、にんじん)
- 海藻(わかめ、昆布)
- 大麦、オートミール
- 不溶性食物繊維が豊富
- 全粒粉パン、玄米
- ナッツ、豆類
- 根菜類(ごぼう、さつまいも)
5. 食物繊維を効率的に摂る方法
- 食事に彩りを持たせる
- 野菜を中心とした副菜を一品増やす。
- 色とりどりの食材を組み合わせることで、バランス良く摂取可能。
- 発酵食品と組み合わせる
- ヨーグルトにフルーツやオートミールをトッピング。
- 味噌汁に根菜や海藻を入れる。
- 間食で補う
- ナッツやドライフルーツをおやつに選ぶ。
- お腹が空いたらバナナや玄米おにぎり。
まとめ
食物繊維は、血糖値をコントロールしながら腸内環境を整える、健康維持に欠かせない栄養素です。特に、水溶性と不溶性の両方をバランスよく摂取することで、腸内細菌との相互作用が促進され、善玉菌を育てる効果が期待できます。
プロバイオティクス(善玉菌)とプレバイオティクス(善玉菌のエサ)を意識した食事を心がけることで、腸内環境の改善だけでなく、全身の健康や免疫力の向上、さらにはメンタルヘルスの改善にもつながります。
日々の食事で意識的に取り入れ、体の内側から健康的な生活を目指してみませんか?困ったときはお気軽にご相談ください!
私について
新潟県上越市・妙高市を中心にパーソナルトレーニングをご提供させていただいております。札幌にてパーソナルトレーナーとして月間100件以上のトレーニングを提供させていただいていました。また国家資格である理学療法士を保有しており、栄養学だけでなく、解剖学・運動学・生理学・神経科学など様々な側面からお客様の理想の体への一歩をお手伝いしております。
ご予約は公式LINEから承っておりますのでお気軽にお問いわせください。